有機ELテレビでは日本メーカーは世界で勝てない

こんばんは。ツムさんです。

 

NHKを見ていたら、日本の電機メーカー(パナ、ソニー、東芝)が今年の6月頃に有機ELテレビを相次いで発売するというニュースをやっていました。

 

 

有機ELテレビは2010年にソニーが世界で初めて商品化・発売しましたが、パネルの大型化に伴う歩留まりの改善が思うように進まず、そののちソニーは撤退した経緯があります。

 

日本企業が二の足を踏んでいる間に、韓国メーカー(LGやSamsung)が大型化に成功、LGは有機ELテレビを日本でも発売しています。

 

 

日本企業の技術的な先行者優位は既に消えている上に、テレビで一番お金がかかる部品がパネルと言われているなか(液晶テレビも同様)で、コスト競争力をLGにそがれてしまう格好です。

つまり、パナ、ソニー、東芝が有機ELテレビを作れば作るほどLGは儲かりますし、商品価格でLGのパネルに追いつけない分は、ユーザーがそのまま負担(同じものだけど高く買う)するか、本来付加価値として商品に上乗せしたかった分で相殺する(質を下げる)しかないです。

 

パネルの供給が1社で独占状態なら、高く買ってくれるメーカーに優先的に割り振ろうとするのは当然です。日本のメーカーはどこもテレビビジネスで過去大きな損失を出してきましたから、有機ELテレビについては、おそらく様子を見ながら、慎重に投資をすることでしょう。お互いに牽制しながら、どこが最初にババを引くかという「ババ抜き」の様相を呈しそうです。

 

有機ELテレビのビジネスは液晶テレビよりもタチが悪く、少なくともLG以外の有機ELパネルメーカーが出てこないと、パネルの価格がなかなか下がらず、誰もHappyになりそうもありません。