静岡県浜松市のITキッズプロジェクトの中身が濃すぎる件

f:id:PSYuki:20170328215556j:plain 静岡県浜松市で行われている子ども向けIT教育の取り組み事例を紹介します。
ぼくの母校でもある静岡大学は、国立大の中で一番最初に情報学部が作られた(1996年)学校です。その当時からC言語の授業なども始まっていて先進的な取り組みをする大学として知られています。

 

 

余談ですが、日本ビクターの元副社長で「日本のテレビの父」と呼ばれる高柳健次郎氏は静岡大学(浜松高工)出身です。ソニーに入社して14年間、テレビ向けの半導体の開発にばかり携わっていた身からするとなんとも言えない不思議な縁を感じます。

 

 1926年12月25日、浜松高工にてブラウン管による電送・受像を世界で初めて成功した。送像側に機械式のニプコー円板と受像側にブラウン管を用いて、片仮名の「イ」の文字を送受像した。走査線の数は40本だった。「イ」の字はいろは順の最初の文字として選んだ。

Wikipediaより

 

そんな静岡大学情報学部と工学部のある浜松市は子ども向けのIT教育(言い方が適切ではないかもしれません)がとても盛んです。

 

現在、浜松市では、「ITキッズプロジェクト」と「こどもテクノクラブ」を取り組んでいます。今回は「ITキッズプロジェクト」の紹介です。

 

itkids.jp

 

写真付きで紹介されているので、是非上のホームページを見てください。ITキッズプロジェクトは下の5つのコースがあります。

  • ITロボット
  • ITコンピュータ
  • IT英語
  • IT算数
  • IT理科

 

ITロボットは、すっかりおなじみのLEGOのWeDoを使って自分で作ったロボットをプログラムで動かすコースです。これは、一般的なプログラミングスクールでも広く取り組まれていますね。ぼくが子どもを連れて体験した教室は全部このタイプでした。

 

ITコンピュータは、コンピュータを様々な用途で使いこなすという視点で組まれています。コンピュータグラフィックスの基礎やデジタル新聞作り、ゲームプログラミングを学んだりします。

 

IT英語はアルファベット26文字を覚えることからはじまって、挨拶や数の数え方、動作を表す英語、そしてITに関連する英語を学びます。タブレット(iPad)を英語の教材として使う形式です。タブレットなので英語を聴きながらの授業になるのかな。

 

IT算数もiPadを使って、四則演算の暗算を訓練します。他にも2進数を学んだり(結構本格的ですね)、小数点どおしの掛け算や割り算にもとりくんでいます。

チーム対抗で、「算数玉入れ」「次だれ!?ルーレット」「数字でん言板」のゲームを競い、計算力、記憶力、判断力、チームワークを養います。

 

IT理科では、レゴサイエンス&テクノロジーを使って、力学の簡単な実験をしてみます。他にもジュースや果物で電池を作ったり、モーターを使った発電機を組立てたりして、「節電」と「エコ」について考えます。

 

ざっと、見てみると、

 

非常に内容が濃い

 

濃いというのは、初等教育の学習指導要領に沿っているという意味です。一般的な子ども向けのパソコン教室やプログラミングスクールが上でいうITロボットのコースに特化しているのに対して、ITキッズプロジェクトは、LEGOのWeDoやタブレット(iPad)はあくまで効果的な学習の手段の一つだということがはっきりしています。上の5つのコースを取り組むことで、学習指導要領に沿う形の教育が実現できるということです。

 

川崎市にもプログラミングスクールはありますが、ここまで広くカバーしているスクールは無いでしょう。

 

他の町も参考になる取り組みだと思います。

 

2020年に向けた学習指導要領の改定については過去記事からどうぞ。