インターネットの情報に振り回されるあなたを解放してくれるのは身近な人

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こんばんは。

今日は、とある本の紹介文を引用してスタートします。

 

 

自由でパブリックでオープンな場――。かつてインターネットを創った人々が目指したのは、情報を統制から解放し、異なる意見を持つ人間どうしがつながる時代をもたらすことだった。 だが今日のネットは逆方向に進化している。急速なアルゴリズムの発達により、私たちは、自分が見たい情報だけをフィルタリングして見せてくれる「フィルターバブル」で覆われつつあるのだ。

 

2012年に発売された本です(本の紹介は最後に)。

 

「フィルターバブル」は、Amazon等のECサイトで見かける「レコメンド」機能をイメージすれば分かりやすいです。

 

こんなやつですね。

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上の例は、とある本をAmazonで検索したときに一緒に表示される情報です。

 

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」

 

このような消費者の購買パターンを表示する機能(レコメンド機能)は、Amazonが持っているビッグデータ(過去の購買履歴)を解析した結果から作られています。ある本Aを購入した人が、BやCを買ったという消費者の実際の行動パターンをもとにして、同じようにAを買った消費者に、BやCを薦めるというものです。Amazonに限らず、今やレコメンド機能だらけ。。

 

この機能が登場した当時は便利だなー、と思ったものですが、ぼく自身は「レコメンド機能」でモノやサービスを買ったことは無いです。

 

それは、なぜか?

 

胡散臭さ満載

 

だから。

 

 

 

冒頭の本は、

 

インターネットを創った人々が目指したのは、異なる意見を持つ人間どうしがつながる時代をもたらすことだった。 だが今日のネットは逆方向に進化している。

 

と指摘しています。

 

本で例えるなら、ある本Aを買って、次に何を買うのかは、その本人が何のバイアスもなくフラットに「考えた」上で決定すべき話であって、決して、第三者が「こんな本もおすすめですよ」と言われて決定することではない。にも関わらず、今(2012年当時で既に)は、世の中にバイアスがかかりまくった情報であふれているという事実を指摘しています。

 

レコメンド機能で紹介されている商品が何の思想に偏っていないかどうかは分からないという危険性を鋭く解説しています。

 

分かりやすく言えば、ある団体が新刊で発売されたばかりの本Aを大量に購入したとして、同じ団体が続けて本Bを大量に購入すれば、レコメンドする商品には、Aを買った人はBも買っていると表示されることになります。

この場合、Aを買えばBを買うという行動パターンは、大勢の人から抽出された何の意図もない一般的なパターンというより、明らかに、ある団体の思想に沿った特殊なパターンになってしまいます。

 

Amazonの「レコメンド機能」で紹介される商品を見ても、Aを買った人がなぜBを買うのか、その意図を読み取ることはできません。

本著では、その危険性を指摘しているのです。

 

 

では、結局、どうしたらいいのか。ということですが、

 

インターネットの情報は何かしらのバイアスがかかっているという前提で、「鵜吞みにしない」

 

ということに尽きます。

 

鵜呑みにしない

 

なら、どうするのか。

 

自分で情報を集めて、その商品を買うに値するかどうかを判断する。

 

インターネットから得る情報を自分なりに解釈してみる。他の人の意見を聞いてみる。他の情報源と突き合わせて正しさを検証してみる。

 

そして最後に、様々な「解釈」と「検証」を行った結果をもって、自分の考えとして、その情報を飲み込んで良いものと「判断」する。

 

「解釈」→「検証」→「判断」のサイクルが大切だと考えています。

 

このサイクルを回すために、インターネットを活用するのも手ですが、堂々巡りに陥りがちなので、そのようなときには身近な人に意見を求めるのが一番です。

 

「えっ、それって結局他人の意見に流されているだけじゃ?」

 

という指摘を頂きますが、

 

他人の言葉を聞いて考えるのは、その人自身であって必ず本人の「解釈」が含まれます。耳から入ってきた他人の言葉がそのまま脳にダイレクトに伝わるのではなく、「これがオススメだよ」という理由そのものやその言葉の、ビミョウなニュアンスだったり表情から、オススメ具合を読み取る(解釈)ことをしているわけです。

 

その解釈の結果、自分はどうする。という結論を出すのであって、決して他人の意見に流されていると決めつけられる話ではないです。

 

インターネットのレコメンド機能にはそこまでの情報は含まれていません。

 

ぼくが、「身近な人」をすすめる理由は、「身近な人(家族や会社や地域の人)」は、往々にして、同じように「解釈」の問題に悩んでいるからです。

 

同じ「車」が趣味の人に、次に買う車をどれにしようかという相談をするのも、単に車の形や性能というスペックだけではなく、同じような嗜好を持つ人同士だからこそ伝え合える共通の感性がそこにあるからだと考えます。

 

インターネットの情報に振り回されて困る。。という人は、一旦パソコンの前から離れて、身近な人と話してみるのがオススメですよ。

 

身近な人をレコメンド(推薦)できるのはあなたしかいないのですから。

 

ツムさんでした!!

 

最後に本の紹介です。