【書評】「多動力」の根底には「鈍感力と意志力」が必要ですよ

f:id:PSYuki:20170620195140p:plain 堀江さんの本は1つの章が長すぎず短すぎず丁度いい長さなんですよね。リズムよく読めるので好きです。

 

リズムよく読めるので、読み終わったときに、結局何が言いたかったんだろう?って考えることもあるのですが、この本については、単純明快です。

 

あれこれ考える暇があったら、今すぐ、やってみよう!

(あとがきより)

 

 

一つの仕事をコツコツとやる時代は終わった

あなたの貴重な時間を「情報」を得るために使ってはいけない。オープンイノベーションにより、「情報」それ自体の価値はゼロになる。

 サラリーマン時代にずっと引っかかっていたこと。

 

どれだけ勉強して知識や技術を身につけたとしても、「できる」や「知ってる」こと自体はその人の価値にはならない。何故なら、同じように「できる」人や「知ってる」人はたくさんいるから。

 

と考えていたんだけど、

 会社はそうじゃない。知識の深さやできることを評価の一つの尺度にするから、経験豊富なシニアなエンジニアの方が優遇されるという現実。

 

そういう人は、「メンター」という名のもとに、いろいろな場面に登場し、もっともらしいことを発して颯爽と去っていくのだけど、役に立ったと思ったことは一度もないです。

 

上の人の意見をほどほどに無視できますか?

 

そんなアドバイスを聞いている暇があったら少しでも早く自分の判断でプロジェクトを進めた方がトータルで見ると効率的に進められるし成果も出るんだよな。これは14年の経験でわかったことです。

 

「勝手に判断して、ほうれんそう」がなってない!

 

ってよく叱られたけど、ほうれんそうして、本当にピンチを脱することができたことなんてないんだよね。そもそも、呑気にほうれんそうできる余裕があるときは問題なんて起きてないしね。。結局、ほうれんそうも単なる知識の共有でしかないと思っています。

 

 

だからこそ、知識や技術を身につけることに時間を割くなという指摘なんだろうと思います。

 

 

バカ真面目の洗脳を解け

「全部自分でやらなければいけない」という思い込みをしていては、多くの時間を手掛けることはできない。自分が最も力を発揮できる仕事だけをやろう。

これは環境にも依るかなぁ。

 

自分一人だけなんてプロジェクトもあるから、人を集めるまではどうしても自分でやるしかないという状況も有り得るよね。

 

実際、自分も独りぼっちプロジェクトがあったけど、最初は全部やるしかなかった。でも、そういう経験もしたほうが、「この部分は他の人に任せてしまおう」と割り切って物事を進められるようになると思います。

 

部署を異動したあとは、専門性が大きく変わって、自分が手出しのしようがない領域については他の人にお願いするしかなかったけど、「どこで」仕事を分担するのが良いのか最適な開発体制を作ることができたのは、やっぱり独りぼっちプロジェクトを経験したのが大きかったと思っています。

 

あっ、もちろん一人でやりきるんだ!という意志力は相当必要でしたよ。

 

サルのようにハマり、鳩のように飽きよ

「ハマる」ことも才能だ。僕のように何百ものことにハマるためには、まず一つのことに徹底的にハマってみよう。バランスなんて考えず、偏って、極端に。

14年は長すぎたかもしれないけど、半導体設計については飽きるほどやったよ!と言い切れるなぁ。

 

仕事外でも、Androidアプリを作ってみたり、AzureでWordpressを立ち上げてみたり、面白そうなものは手を出してるけど、猿のようにハマっているかどうかは正直分からないです。

 

猿のようにハマって仕事をすると、そのジャンルについて相当な知識や技術、経験が身に付くわけで、日本の会社はその「知の深さ」を評価の尺度にするけれど、世界の経済学的には、「知の深さ」よりも「知の探究」に重きが置かれていて、その方面に力を発揮できる人材のほうが価値が高いって知ってました??

 

事業の不確実性がますます高まっていくのは間違いなくて、そんなときに「知の探究」なしに乗り越えることはできないという考え方です。

 

堀江さんは、いろいろなアイデアが湧いてくるきっかけとして「ハマれ」と言ってるだけで、おたくになりなさいと言ってるのではないことには注意したいです。

 

 

「自分の時間」を取り戻そう

人生の中で「ワクワクしない」時間を減らしていこう。そのためには、「やらないこと」を決めることが重要だ。

これ、解るわぁ。

 

自分も半導体の開発ってもう飽きちゃったんだよね。。

 

毎年毎年同じようなサイクルで同じようなLSIを作って評価して。。

 

定年まで同じ仕事をするのかと思うとウンザリしてくる。。

 

だから、会社も辞めました。異動してみれば何か変わるのかとおもって事業部を移ってもみたけど、やっぱり自分に期待されるのは、今までのキャリアの延長だった。

 

だから、もういいかな。って満足したんですね。

 

 

自分の分身に働かせる裏技

世の中には2種類の人間がいる。それは、「原液」を作る者と「原液」を薄める者だ。

「原液」を作れば、自分の分身が勝手に働いてくれる。あなたは「原液」を作れているだろうか?

 堀江さんは本の中で、カルピスを使って「原液」理論を説明しています。

 

僕が実際に動かなくても、考えや主張は自動的に生産され続け、何人もの僕が動いているのと同じことになる。 

ブログやツイッターというようなメディアも同じことかな。

 

ぼくが「多動力」の書評をブログに書くのは今回の一度きりだと思うけど、ブログを読んでくれた人がツイートしてくれれば、ぼくが何度も書評を書いて紹介しているのと同じ効果が得られる。

 

ブログを書いてSNSで広める=自分の時間を効率よく使って発信する

 

んだということが理解できました。

 

 

世界最速仕事術

スマホでできるのに電話を使い、家でできるのに通勤する。あなたが忙しいのは、仕事が多いからではない。無意味な時間をなくさなければ、多動力を発揮することはできない。 

賛否両論ありそうな指摘。

 

堀江さんのように割り切るには相当な覚悟が必要になると思います。

 

自分もパソコンなしでは仕事ができない。。

 

「多動力」にもいくつものレベルがあると思っているので、その人に合う形の仕事術がみつかればいいと思いますよ。

 

 

最強メンタルの育て方

あなたが多動になるための最大のハードルは「他人にどうみられるだろう?」という感情だ。はっきり言おう。誰もあなたには興味がない。好きなように生きて、思いっきり恥をかこう。

鈍感なほうがいいよ。うん。

 

ということ。

 

ぼくも、会社にいたときに昼休みは勝手に2時間くらいとってて、あいつは何やってんだ的な目で見られたリしたけど、気にしてなかったな。

 

自分のパフォーマンスを最大限発揮するためにはそうした方がいいという判断で、これは自分の体の生理的なものだから、他人にとやかく言われる筋合いは全くないんですよね。

 

その生活リズムを狂わされて仕事の効率が落ちるほうが、お互いにとって不幸だし、その点を理解してくれた人がいたのは救いでした。

 

たとえ人から白い目で見られても気にもしない。多動力に限らず、「自分で判断して何かする」ときには「鈍感力」と「意志力」が必要です。

 

 

人生に目的なんていらない

「多動力」は大人になるにつれ失われていく。つまり、未知なるもの、新しいことに興味がなくなったとき老いが始まるのだ。いつまでも3歳児のような好奇心を持って生きていこう。

目的なんていらないと言ってしまうと身もふたもない感じがするのは気のせいかな。

目的は持っていてもいいんじゃないかと思います。

 

堀江さんは「やらなくてはいけないこと」をするようになると「多動力」のないバランスの取れた大人になると指摘してます。

 

目的を持ったうえで「多動」になればいいだけの話であって、「目的を持つことが」が「多動」になる邪魔をするというよりも、「やらなくてはいけないこと」が「目的」になってしまうようだと、「多動力」を失わせる原因になるということだと理解しています。

 

「やらなくてはいけないこと」のほとんどは実は「やらなくてもいいこと」であるというのはよく言われることですね。

なので、前章で登場した「全部自分でやらなければならない」という思い込みを外せという指摘そのものが言い換えれば「多動力」を生み出す源泉なのだと思います。

 

最後に本の紹介