「いい大学を出れば将来幸せになれる」だって?親や先生の言うことは疑ってかかれ
おはようございます、おやすみなさい。
ツムさんです。
ベネッセ総合研究所の調査で
「いい大学を出れば将来幸せになれる」
という質問に対して、小学生の78%がYesと答えたとのこと。
Webメディアの記事は、有効期限切れのまま放っておかれているので、ベネッセ総合研究所のページをリンクしておきます(期限切れ記事をそのままリンクしたままのサイトは、商用・個人問わず、Webメディアの責任を放棄していると思う)
--- Benesse BERD ---【調査データ検索<検索結果・詳細>】
「いい大学を出れば将来幸せになれる」という設問は、下記調査結果の最終頁に示されています。
http://berd.benesse.jp/up_images/research/5kihonchousa_datebook2015_p20-23.pdf
本調査は、子どもの学習に関して、学校での学び、家庭学習や校外学習、学習に対する意識・意欲、進路意識など、広くその実態をとらえ、経年での変化をみることを目的としています。1990年に第1回調査をスタートし、2015年に第5回の調査を実施、25年の変化をみることができます。
この調査結果を見ると、
- いい友達がいると幸せになれる
- いい大学を卒業すると、将来幸せになれる(16.9%up)
- お金がたくさんあると幸せになれる(11.4%up)
- 日本は努力すれば報われる社会だ(13.3%up)
- 日本は競争が激しい社会だ(4.0%down)
- 将来、一流の会社に入ったり、一流の仕事につきたい(11.0%up)
のうち5を除いて2006年比で軒並みUpという結果(2015年)で、タイトルの設問はこの2を指しています。
「そんなうまい話あるはずない」
という意識が無いのと、
「小学5年生にして幸せが何かを考えているのか」
ということにまずビックリ。
そして、
「世の中を綺麗に飾って事実を見せていない」大人が多すぎる。
うちなんか、もうすぐ安定した暮らしが保証されなくなるという「空気」を子供たちなりに感じ始めてるから、自然と我が儘を言うことが減ってきています。親としてそれは無責任では?という人も居ますが、子供たちに理想的な暮らししかさせず、社会に出たときに現実とのGapに苦しませるほうが、よっぽど無責任だと思います。
ここでは善か悪かというような道徳的な責任を言いたいのではなくて、親としてどういう教育を子供にするべきかという責任です。
(善か悪かという視点なら、上の調査結果は、100点満点の結果になりますよね)
小学5年生にもなると、親や先生が「キレイごと言ってるな」、というのは何となく分かり始める時期だけど、疑ってかかることを訓練されないのは、正直危ないと思う。
「立派な大人になるためによく勉強しましょう」とか、「ケンカせずにみんな仲良くしましょう」って言われても、勉強が大嫌いな子供は理由なんかなくキライだし、嫌いな人は理由もなくキライなんだよ!!って、人として自然に湧き上がる気持ちを自ら覆い隠させるような指導は、周りの大人はするものじゃないです。
このまま大人になってしまうと、
「あれっ?言われてきたことと違うような。。」
となりかねません。
学校教育で学んでほしいのは、
「勉強をすべき」「友達とは仲良くすべき」
というようなべき論ではなくて、
「勉強に対する取り組み方」「友達との付き合い方」
であるべき。
例えば、算数が苦手な子供に対して、「苦手だけど勉強しようね」というような指導は、子供からすると「そんなの言われなくても分かっているよ」という反発しか生まないですよね。(ここで反発すらせずに、唯々諾々と大人しく勉強するのも逆に心配になります)
そうではなくて、「苦手だけど算数を勉強するのがいいか」「他の教科を勉強するのがいいか」を自分で選択させる。苦手な算数を選択しなかったとしても、それは選択した時点で何か自分なりの「判断」の上で選択したはずだから、その理由が単純に「キライな算数はやりたくない。スキな理科をやりたい」ということだとしても、その子供の中で「自分は算数よりも理科なんだ」だという明確な物差し(意識)が作られるから、そのこと自体が学習を通して得られる重要な効果なのだと思います。
友達についても同じことが言えて、特に明確な理由がなくても、何かの拍子にキライになった人が居るとしても、その人と「距離をとりながらでも同じクラス、学校の中で生活することができる」「その人と一言も喋ることは無いけれども、お互いに意識することもなく、空気なような存在として、同じ空間に居ることができる」というような付き合い方を学ぶのが学校です。
ぶっちゃけ、男子が女子の全員と仲良くするのは現実的に無理だし、男子の中でも意気投合できる人は自然と限られます。それは、大人なら痛いほどわかっているはずだし、会社や地域社会の現実も同じはずだから。小学校5,6年生、中学校の先生には、ぜひ「飾らない指導」をお願いしたいです。