有機ELテレビでは日本メーカーは世界で勝てない
こんばんは。ツムさんです。
NHKを見ていたら、日本の電機メーカー(パナ、ソニー、東芝)が今年の6月頃に有機ELテレビを相次いで発売するというニュースをやっていました。
有機ELテレビは2010年にソニーが世界で初めて商品化・発売しましたが、パネルの大型化に伴う歩留まりの改善が思うように進まず、そののちソニーは撤退した経緯があります。
日本企業が二の足を踏んでいる間に、韓国メーカー(LGやSamsung)が大型化に成功、LGは有機ELテレビを日本でも発売しています。
ソニー、日本企業の先行者優位は完全に消えた。
— Yuki Tachi (@yu_pikke) 2017年5月10日
パナ、6月に有機ELテレビ 東芝・ソニーに続き参入(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://t.co/sbdBDyJZJf @YahooNewsTopics
3社のパネルはすべてLG社製(NHK報道)。コスト構造のキーパーツを競合メーカーに抑えられた形だ。
— Yuki Tachi (@yu_pikke) 2017年5月10日
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各社が付加価値を出そうとすればするほどパネルコストで抑えられる。厳しいビジネスだねこれは。
— Yuki Tachi (@yu_pikke) 2017年5月10日
パナ、6月に有機ELテレビ 東芝・ソニーに続き参入(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://t.co/sbdBDyJZJf @YahooNewsTopics
日本企業の技術的な先行者優位は既に消えている上に、テレビで一番お金がかかる部品がパネルと言われているなか(液晶テレビも同様)で、コスト競争力をLGにそがれてしまう格好です。
つまり、パナ、ソニー、東芝が有機ELテレビを作れば作るほどLGは儲かりますし、商品価格でLGのパネルに追いつけない分は、ユーザーがそのまま負担(同じものだけど高く買う)するか、本来付加価値として商品に上乗せしたかった分で相殺する(質を下げる)しかないです。
パネルの供給が1社で独占状態なら、高く買ってくれるメーカーに優先的に割り振ろうとするのは当然です。日本のメーカーはどこもテレビビジネスで過去大きな損失を出してきましたから、有機ELテレビについては、おそらく様子を見ながら、慎重に投資をすることでしょう。お互いに牽制しながら、どこが最初にババを引くかという「ババ抜き」の様相を呈しそうです。
有機ELテレビのビジネスは液晶テレビよりもタチが悪く、少なくともLG以外の有機ELパネルメーカーが出てこないと、パネルの価格がなかなか下がらず、誰もHappyになりそうもありません。